空蝉その弐

徒然と真田佑馬くん

ばたふらいこうか

かつて、中火"ラバッパー"*1だった私は、熱心にポルノグラフィティを応援していました。

それが、ああなって、こうなって、ポルノグラフィティ離れをすることになり、その後は、SMAPと真田くんに全力投球の"ジャニヲタ"として、アイドルに沸く日々を楽しんでいました。

2015年4月、ポルノグラフィティは『オー!リバル』という曲をリリースしました。元ラバッパーの私は、その曲に見事に撃ち抜かれました。そして、容易に引き戻されました。

では、なぜ一時期ポルノグラフィティから離れたのでしょうか。

理由は複数あり、さまざまなことが重なっての結果だったのですが、そのひとつが彼らの作る音楽にあったことは明確です。

もともと、私がポルノグラフィティを好きになったきっかけは、彼らのビジュアルでもなく、音楽でした。バンドを好きになる理由としては、単純とはいえ、納得していただけると思います。あるとき、彼らの新曲をテレビを通して初めて聴いたときに、衝撃を受けたことを憶えています。

ファンになってから触れる彼らの楽曲はどれも魅力的で、過去のリリース曲も、アルバム曲も、そして、次々と生み出される新曲も、すべてが愛おしくて、ずっと聴いていたいと思っていました。

しかし、不変というのは難しいもので、メンバーの脱退やサポートミュージシャンの交代があれば当たり前のことですが、いつからか彼らの作品が変わっていきました。質が落ちたのではなく、質が変わった、と私は感じました。だから、もちろん、過去の発表曲に比べて新曲が劣っているなどとは思いませんが、その頃に生まれていた曲たちは、私がポルノグラフィティを好きになったきっかけの曲とは、明らかに内容が異なっていました。はっきり言えば、私好みの曲に出会えない時間が続いたのです。

と、不要な前置きが長くなってしまいました。

真田担でありながら弱火ラバッパーを名乗る、今の私が観た、今の彼らのライブを、ここに記録しておこうと思います。

真田くんに出会う前に観たライブと、真田担になってから観たライブと、真田くんがLove-tuneのギター担当になってから観たライブは、すべて違っていました。

 

15thライヴサーキット "BUTTERFLY EFFECT"

2月13日(火) 18:30 @フェスティバルホール

 

夜間飛行

紗幕越しの昭仁さんと晴一さんがなんとも美しい。アップテンポの曲で始まらないあたりも良い。まだ目の前の光景が現実かどうかわからないような、不思議な感覚のままBUTTERFLY EFFECTの世界へ引きずり込まれていきます。

 

LiAR

紗幕が上がり、大歓声に包まれる会場。全貌を現したふたりに沸かないわけがない。

 

真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

迫力ある曲。かっこいい。ポルノグラフィティのライブに来たんだ、と実感させられます。

 

MC

「ご迷惑とご心配をおかけしました、ボーカルの岡野昭仁です!」と、まあ、仕方ないですよね(笑)。まさかの"インフルエンザ罹患×2"ですもの。前週の公演の延期が発表されたときには、大阪公演は大丈夫かしら??ともちろん心配しました。おそらく体調は万全ではなかったかと思いますが、予定通り大阪に来てもらえてよかったです。

ギタリストさんは安定の"晴一節"で挨拶。これがとってもキュートで愛着します。昭仁さんのインフルエンザネタを引っ張って、「こないだから考えたんじゃけど、君(昭仁)は体使って喉使って歌うから~…」と話し始めた、その声と方言!ギャップ萌えしないはずがないです。

 

ワールド☆サタデーグラフティ

懐かしいナンバー。渦のカップリング曲ですね。昔からの曲であり、かつ、なかなか好きな曲なので、単純にテンションがあがります。♪土曜日なのに雨だね ここは東京なのにひとりだね~という冒頭の歌詞は、♪火曜日なのに雪だね ここは大阪なのにひとりじゃないけどね!!~と替えて。

 

ダリア

東京デスティニーのカップリング曲。非常に人気の高い曲のようです。確かに素敵なサウンドですよね。ブランク期間のカップリングは全く知らないに等しいので、少しずつ勉強していかなければ…!

 

リンク

これは地味に嬉しい。私のポルノグラフィティ愛がピークを迎えた頃の曲だったのではないでしょうか。当時の太っていた昭仁さんの、特にMステ出演時のパフォーマンスを、今でも鮮明に思い出せます。

 

メリッサ

鉄板!!!!まずベースがたまらない!!!!ずっと聴いていたい、ずっと盛り上がれる、そんな名曲です。

 

MC

メリッサを"メリッソ"と、安定のカミカミ王子が「BUTTERFLY EFFECTとはどういう意味なのか、晴一さんのほうから」と振ると、「説明しよう!」と晴一さん。本当にかわいらしい。

晴一「BUTTERFLY EFFECTとは、えーっと、何から話そうかな。思いが詰まってて、話が長くなるんですよ。まあいいや。曲を作るわけですよ、我々は。日々曲を書いたり歌詞を書いたりするんじゃけど、この世の中にはもの凄い曲があるわけよ。Apple MusicだとかiTunesミュージックだとかGoogle Playだとか、もの凄い曲があるのに、何十万曲、何百万曲って、その中で、歴史的な名曲、人類の宝みたいな名曲がいっぱいあって、それにみんな俺たちはアクセスし放題。世の中に、俺たちがこんなに頭を悩ませて1曲生み出すことに、どんな意味があるんだって、だいたい締め切り前に思うわけ。でも、音楽の海みたいなものがもうここにはあるかもしれんけど、海があるけえつって雨が降らんでええわけではなくて、その時代時代、その場所場所に、雨が降ることはやっぱ大切で、自分らの曲もそういう1滴になればいいかなと思って。その雨みたいなものを集めて川になるだろうし、川はそのうち海に来るだろうし、海はそのうち雨雲を作るだろうし、みたいなことを今やっているわけだから、そういう1滴になればいいかなと思って。で、アルバムタイトルを、ドロップスとかレインとか、そんなタイトルでもいいかなと思ったんだけど。バタフライ効果という言葉があるんですけど、地球のこっち側で蝶々が羽ばたいたら、そのときのちっちゃい風もいろいろ影響し合って、ここにカオス理論みたいなのがあって、なんかいろいろあったら、地球の裏側では大きな風になるっていう、BUTTERFLY EFFECT。まあなんか、そういうものになったらいいなと思って、お気づきの通り、タイトルはBUTTERFLY EFFECTになりました。」

 

Working men blues

晴一さんのアルバムタイトル説明を聴いたあとに、この曲を改めてじっくりと聴くと、沁みるものがあります。これから先、折れそうになることがあったら、救ってくれる1曲になるかもしれない。

 

170828-29

今回のアルバムの中で最もインパクトのある曲だと私は思います。"まさに今"の世界とそこに生きる我々を描く、嘆きと希望とを混ぜ合わせた内容に脱帽。

 

君の愛読書がケルアックだった件

曲前に、本物の映画の予告宛らの映像。物語の登場人物のひとりである保健室のイケメン先生(晴一)がスクリーンに映ると、きゃああぁぁぁぁぁあ///と、当たり前のように、悲鳴が会場内に響き渡ります。この作品の監督さん、本当にずるいですね(笑)。

 

MICROWAVE

これがまたかっこいいんだ…。今までのポルノグラフィティにはないようなアレンジで、ライブで聴くとさらに良く感じました。

 

MC

昭仁さんのみの登場。「森の中にいるね」と、そんな演出。

Amuse Fesにて、Perfumeポリリズムを歌ったときのエピソードを話し、そのときの歌唱を自身で再現する昭仁さん。♪くり返す このポリリズム~ このシーンが後日WSで流れ、それを見たスガシカオさんから「岡野く~ん、君のポリリズムはひどいね。ポリリズムって、そんなね、青筋を立てて歌う曲じゃない(←モノマネ)」と言われたんだとか。青筋を立てて歌うことが「俺の専売特許」だという昭仁さんですが、うん、確かに、私の昭仁さんの第一印象は"青筋"だったので、それはこれからも大事にしていただきたいと思うわけですが、先輩からの指摘を受けて歌い方を見直し、ポリリズム~1歩引くver.~が誕生。♪くり返す このポリリズム~ 先程の歌ももちろんうっとりするほど上手なのですが、後者も素晴らしい!やはり私は昭仁さんの歌声が大好きです。

 

カゲボウシ

昭仁さんソロパート。スガさんの言葉をきっかけに、1歩引く歌い方を新たな武器として手に入れた昭仁さんによる新たなカゲボウシは、とても優しく心に沁み渡る大好きな音の集まりでした。カメレオン・レンズのカップリングに1月31日公演の音源が収録されていますので、この昭仁さんの歌声を聴いたことがない方にもぜひ触れていただきたいです。

 

月飼い

晴一さんソロパート(インプロヴィジョン)。朗読に引き込まれます。

 

午前5時に反転したものは

夜と朝 本当とウソ

海底から見上げた魚は 空を飛んでいて

空から見下ろした鳥は 海を泳いでいる

夜の本当は朝のウソ

午前5時に反転したものは

一瞬と永遠 沈黙と静寂

二人黙った時間を「沈黙」とよび

一人黙った時間を「静寂」とよぶ

一瞬の沈黙と永遠の静寂

午前5時に反転したものは

午前5時に反転したものは

 

晴一さんの魅了的なギターソロに続く月飼い。流れが見事。混沌とした印象を与える"午前5時"という時間を軸にして紡がれる、晴一さんの言葉、そして音楽は、美しいの極みでした。

 

Part time love affair

LiAR/真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせのカップリング曲。妹がシングルを買ってくれたので、ライブ後もちょこちょこ聴いています。晴一さん味がたまらない、お気に入り曲のひとつです。

 

Fade away

今回のアルバムの中で最も私に響いた曲です。

 

昭仁「今のこの情報社会といいますか、なんかちょっと不祥事なりがあったら、みんなでこぞって叩いて、食い尽くす感があるじゃないですか」

晴一「ありますね」

昭仁「あれで色んな物が、消し去られてしまうというか、あれはちょっと恐いなという」

晴一「恐い!」

昭仁「そんなことから、そういう社会というか今の世の中を、憂う気持ちで書いた曲でございます」

――CDTV ALBUM RECOMMEND

 

思うことがありすぎて、この曲を知ってほしくて、真田くんへの手紙にも内容を記した記憶があります。意図したわけではないのですが、結果的に贈るタイミングが絶妙になってしまったので、もし真田くんが目を通してくれていたとしたら、違う意味で捉えられたかも、なんて。でも、同じ曲を聴いても、受け取り方は人それぞれ違って当たり前ですし、私はこの曲から感じるものがあって伝えたわけだけれど、相手が何も感じなかったり異なる印象を抱いたりしていても、それはそれで構わないですよね。だから、私のただの自己満足だから、それほど重い意味はありません。

 

Rainbow

瞳の奥をのぞかせてのカップリング曲。前曲とは対照的な希望の歌。

 

ギフト

希望ソングが続きます。この曲を聴いてもまた、Mステのパフォーマンスを思い出します。昭仁さんの前髪、かわいかったな…(笑)。

 

THE DAY

昭仁さんのシャウトが印象的。声が出にくくなったパートがあり、胸がぎゅっとなりました。終盤になっても全力で歌い続ける、その姿に涙が溢れます。

 

ハネウマライダー

タオルを振り回す、今や彼らのライブの定番曲。この景色を真田くんに見せたいな、となぜかふと思いました。

 

キング&クイーン

昭仁さんの「わしらと一緒にこれからも良い景色をたくさん見ていこうぜー!今日はありがとう!」という熱い言葉に、大きな声援。先日のLove-tune横アリ単独公演では、安井さんが「見たことない景色を一緒に見ていきましょう」と言っていたように、Love-tuneのメンバーからも同様の言葉を聞く機会がありますが、その度に、ずっとついて行けたら、そのために己自身も生きなければ、と活力を得られます。感謝。

 

EC

カメレオン・レンズ

大好きな新曲。ポルノグラフィティのパブリックイメージを覆すような、今までにないサウンドが特徴的な、でも、私はホリデイラブ第1話を見て初めてこの曲を聴いたときに、ポルノグラフィティだ!と思いました。語彙力のない私には上手く表現できないのですが、ポルノグラフィティらしくもありらしくもない、そんな魅惑の作品。

 

メンバー紹介

tasuku、康兵、nang-chang、森男、真助、の順でサポートメンバーを紹介。

続いて、昭仁さんより「新藤晴一!」と紹介があると、一段と大きな歓声が上がります。「ワーとかキャーとか言ってくれて、どうもありがとう」と礼を述べる晴一さんがかわいくて、きゅんきゅんしていると、また独特の表現で語り出すから、好きが止まりません。「200m走に例えますと、180mから足を縺れさせながら200mのラインを越えてもしょうがない。加速しながら勢いよく200mを越えていくことが必要で、その走り方はいろいろあると思うんだけど、よーいドンからの20mと、100mあたりカーブに差しかかったあたりの、そんときの走り方は違ってて~…」と、晴一さんの話をまとめたら、おそらく以下の通り。デビューをスタートとして、今のポルノグラフィティがいるのは180m地点。180mまでは、「可能性とか伸びしろとか」があって、走って来ることができた。では、ここからの20mはどう走るのか。それがポルノグラフィティの課題であり、これから挑戦していかなければならない道である。晴一さんは「ここまで来たときに、あと自分には何ができるのかということを、慎重に探していかないといけないと思うんよ。自分たちの伸びしろとか可能性とかを探して、また加速したポルノで皆さんに会えればいいなと思います。本当に今日はどうもありがとう!」と締めました。

泣ける決意を聞いた後、「ありがとう」と繰り返す晴一さんが歯をマイクにぶつけ、自傷して痛がる姿がまた素敵で…(笑)。かっこいいのに、スマートなのに、ふわっとしているというか、田舎臭さの残る、かわいらしい一面を持ったギタリスト新藤晴一。今回一緒に参戦した実妹(晴一推し)が、はるいち一生かわいい、と連ねていた気持ちはよく理解できます。

最後は、晴一さんによる昭仁さんの紹介。これがまた大好物なのです。晴一さんの「岡野昭仁くん!」に、もれなく悶えるのです。

 

ジレンマ

ポルノグラフィティのライブを完成させるために必要な曲。ここは何年経ってもブレないので、ブランク組も安心してアホになれます。そして、昭仁さんの「胸張っていけー!自信持っていけー!」にこれまでどれだけ救われたことか。ありがとうございます。

晴一「ちょっとやらしい言い方になるんですけどお、新曲お願いします!」

昭仁「やっぱりー、大阪って最高ー!今日はどうもありがとう!」

 

【完】

 

しばらくの間、アイドルのコンサートへ足を運ぶ機会が圧倒的に多くなっていましたが、やはりバンドのライブも楽しいですね。また近いうちに、彼らのライブへ、そして、Love-tune Live にも、行きたいです。現状で思うことは、そればかり。

*1:ポルノグラフィティのファンクラブ『love up!』(読み:ラバップ)の会員